「患者さんのために、もっとできることを増やしたい」九州から学びに来てくださった看護師さん

先日、九州から看護師4年目の看護師さんが、メディカル・タッチ認定講座の実技講座に来てくださいました。

私の息子と同じくらいの年齢の方です。

「患者さんのために、もっとできることを増やしたい。」

そんな思いを持って認定講座を受講してくださいました。

お問合せをいただいてから、勤務先に受講の許可を取るまでに時間がかかり、実際に受講されるまで数か月かかりました。

それでも、学びたいという気持ちを持ち続けて、遠く九州から来てくださいました。

学生時代に、看護実習で言葉で意思疎通のできない患者さんを受け持ったことがきっかけでタッチングに興味を持たれたそうです。これからタッチングの研究もやってみたいととても意欲的です。

日々の看護の中で、患者さんのために自分に何ができるのかを考え、そのために新しいことを学ぼうとする姿勢は素晴らしいです。

その真摯な姿がとてもまぶしく、これからの看護の中で、今回学んだメディカル・タッチをぜひ役立てていただきたいと思いました。

看護師になってできることが増えていく

看護師になると、学校で学んだことだけではなく、実際の現場でたくさんのことを経験していきます。

患者さんへの声かけ。

身体の観察。

清潔ケア。

移動や食事の介助。

ご家族との関わり。

そして、患者さんのちょっとした表情や言葉の変化に気づくこと。

経験を重ねるほど、

「この患者さんには、今どんな関わりが必要なのか?」

と考える機会も増えていくのではないでしょうか。

今回の看護師さんも、そんな思いからメディカル・タッチを学びたいと思われたのだと思います。

私自身も、「もっと患者さんにできることはないだろうか」と考えた一人でした。私は最初から「タッチングを教える看護師」だったわけではありません。

もともとはアロマセラピストとして活動し、緩和ケア病棟などでボランティアをしていました。

そこで患者さんに触れていると、患者さんの緊張がやわらいだり、ふっと表情が穏やかになったりすることがありました。

そして、

「夜、眠れないんです」

「これから、どうなるのか不安です」

と、私が何も聞いていないのに、ご自身の思いを話してくださる患者さんもいました。

触れることによって、患者さんが少し安心できる。

そして、その方が抱えている思いを知ることができる。

それは、患者さんにとっても、看護師にとっても大切なことなのではないかと感じました。

そこから「触れることには、どんな意味があるのだろう」と学びたい気持ちが強くなり、私は看護師になるために神戸大学へ進み、タッチングについて学び、研究しました。

そして、今は看護師や医療職の方に、根拠に基づいたメディカル・タッチをお伝えしています。

触れることが患者さんへのケアにつながる

患者さんに触れること自体は、特別なことではありません。

手を握る。肩に手を添える。背中をさする。

けれど、

「どのように触れるか」

によって、患者さんの感じ方は変わるのです。

患者さんが安心して過ごせること。

痛みやだるさが少し楽になること。

緊張がほどけること。

自分の思いを話しやすくなること。

そして、看護師が患者さんの状態や気持ちを知るきっかけになること。

そうしたことが、その後のケアにつながっていくことがあります。

だからこそ、看護の中で触れるのであれば、

なぜ今、この患者さんに触れるのか。

どんな触れ方なら、その方にとって心地よいのか。

触れた後、患者さんにどんな変化があったのか。

そこまで考えることが大切だと私は考えています。

メディカル・タッチ認定講座では、手技だけを覚えて終わりにはしません。

触れ方を練習しながら、相手の反応を観察すること。

その人に合わせて触れ方を考えること。

そして、触れることで得られた患者さんの反応を、次のケアにつなげていくこと。

そこまで一緒に考えていきます。

私は「触れる技術」だけではなく、触れることを看護の中でどう考え、患者さんへのケアにつなげていくのかを伝えたいと思っています。

認定を取って終わりではありません

九州から来られた看護師さんの手はとても温かくて、やわらかい、心地よいタッチでした。

まさに患者さんたちが安心する手をお持ちで、これからのケアがとても楽しみです。

私は、講座を受講して認定を取得したら、それで終わりにはしたくありません。

実際に患者さんに触れてみると、

「この場合は、どう触れたらいいんだろう?」

「自分の触れ方で大丈夫かな?」

「患者さんの反応をどう捉えたらいいんだろう?」

と、さまざまな疑問が出てくると思います。

だからこそ、認定講座の受講後も、実践につなげていくためのフォローアップを行っています。

実際の現場でやってみたことや、困ったこと、もっと知りたいことなどを共有しながら、学んだ技術を自分の看護の中で使えるものにしていく。

一度学んだ技術を「知っている」で終わらせず、「患者さんに実践できる」ところまでつなげていくことを大切にしています。

今回、九州から来てくださった看護師さんにも、これからの看護の中で、ぜひメディカル・タッチを活かしていただきたいと思っています。

そして、これから経験を重ねる中で、メディカル・タッチがその看護師さん自身の「看護の引き出し」の一つになっていけば、こんなに嬉しいことはありません。

患者さんにできるケアを増やしたい

触れることは、特別なことではありません。

でも、どのように触れるのか、なぜ触れるのかを学ぶことで、これまでとは違った患者さんとの関わり方が見えてくることがあります。

そして、認定講座で学んで終わりではなく、実践につなげていけるよう、受講後のフォローアップも行っています。

「今の自分の看護に、もう一つできることを増やしたい」

「患者さんのために、もっと何かできるようになりたい」

そんな看護師さんの思いを、メディカル・タッチを通してお手伝いできたら嬉しいです。

今回、遠く九州から学びに来てくださった看護師さんが、これからの看護の中でメディカル・タッチをどのように活かしていかれるのか、私も楽しみにしています。

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。