訪問看護や緩和ケアの現場で、
患者さんから
「マッサージしてほしい」
と言われることがあります。
皆さんは、その時どう応えていますか?
実際には、
体力が落ちていたり、
痛みや不安が強かったり、
刺激に敏感になっている患者さんも多くいます。
元気だった頃には気持ちよかった「強もみ・痛気持ちいいマッサージ」が、
今のお身体には負担になることもあります。
患者さんが口にする「マッサージして」という言葉。
それは必ずしも、
「筋肉を強く揉みほぐしてほしい」
という意味ではありません。
・なんだか体が重だるい
・不安で眠れない
・オペ前で緊張している
・痛みでつらい
・誰かにそばにいてほしい
そんな言葉にならない苦痛を、
患者さんは「知っている言葉」で表現しています。
看護師に求められるのは「手技」の前に「アセスメント」
大切なのは、
言葉をそのまま受け取ることではなく、
「この方は、今なぜマッサージを求めているのだろう?」
と考えることです。
もし不安が強い方に、
元気な人と同じような刺激を入れてしまったらどうでしょうか。
かえって疲労したり、
痛みが増したり、
身体が緊張してしまうこともあります。
昔、アロマセラピストとして駆け出しだった頃の私も、
そこがわかっていませんでした。
だから看護師には、
「揉む」以外の選択肢が必要になる場面があります。
体力が低下した患者さんにも行いやすい“メディカル・タッチ”
私たちが行っているメディカル・タッチは、
筋肉ではなく触覚に働きかけるタッチング技術です。
皮膚へのやさしい刺激を通して、
触覚から脳に働きかけて安心感を届けるケアです。
筋肉を強く刺激しないため、
・緩和ケアの患者さん
・虚弱な高齢者の方
・不安が強い方
・眠れない方
・認知症の方
にも取り入れやすい特徴があります。
でも実際には、
「触れたいのに自信がない」
「どこまで触れていいかわからない」
「マッサージ以外の方法を知らない」
そんな看護師さんがとても多いのが現実です。
学校でも、臨床でも、患者さんへの触れ方
を体系的に学ぶ機会はほとんどありません。
患者さんにできるケアとしての“触れる”
薬でも、言葉でも、
患者さんに届かない時があります。
そんな時、看護師は患者さんの訴えを受け止めながら、
「この方に今、何かできることはないだろうか」
と考えます。
「マッサージしてほしい」
「しんどい」
「眠れない」
そんな言葉の背景にある、
不安や苦痛に寄り添います。
その時、ケアのひとつとしてあるのが
“触れること”です。
そっと触れることで、表情がゆるむ患者さんがいます。
だから私は、訪問看護や緩和ケアの現場にこそ、
“看護としてのタッチ”が必要だと思っています。
ただ触れればいいだけではない
看護師が行うケアには、根拠と説明が必要です。
患者さんから
「マッサージしてほしい」
と言われた時に、実際にはタッチングをしているのに、
きちんと説明をしないまま行う。
それは、看護として誠実な関わりとは言えません。
大切なのは、
「今の身体の状態では、強い刺激が負担になることがあること」
「その代わりに、不安や緊張を和らげるために、やさしく触れるケアがあること」
を看護師自身が理解し、患者さんに説明した上で実施することです。
だからこそ“マッサージとタッチの違い”を理解しておく必要があります。
看護としての触れるケアを学ぶ
メディカル・タッチ認定講座では、
患者さんの状態に合わせた
負担の少ない触れ方を学びます。
マッサージとは違い、やさしく触れることで、触覚に働きかけて
不安や緊張を和らげ、安心感につなげていくケアです。
触れることのエビデンスをもとに、
緩和ケア・訪問看護での活用
認知症ケアへの応用
不安や痛みを抱える患者さんへの関わり
などを、現場で実践できる形でお伝えしています。
「もっと楽にしてあげたい」
そんな思いを持つ看護師さんにこそ、
ぜひ、知っていただきたい技術です。
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