看護におけるタッチング ~触れるケアは「心地よさ」がカギ~

前回の記事では、タッチングはコミュニケーションを促し、患者さんとの信頼関係を築く手立てとなることをお話しました。

タッチングを通じて安心感や信頼感を伝える際に特に重要になるのが、触れた時の「心地よさ」です。触れられた相手が「気持ちいい」と感じることが、信頼関係を築くカギになります。患者さんに「気持ちいい」と思ってもらえる触れるケアを提供できるようになることで、より良い関係性を築くことができるようになるのです。

心地よさの決め手は、感覚センサー

触れた時に気持ちいいと感じるかどうかは、「触れ方」が大事です。せっかく気持ちのいいことをしようと思っても、痛い触れ方をされれば、その感覚が脳に届き、「不快」に感じてしまいます。

触れられた時に、「気持ちいい」とか「痛い」と感じるのは、皮膚にあるセンサーが決めています。私たちの肌の上には、触覚を感じるセンサーがあります。肌にあるセンサーが冷たい、痛いなど、肌に触れたものがどんな感じかを感じ取っています。

センサーの中でも心地よさを脳に伝えてくれる専用のセンサーがあります。それがC触覚線維です。触れられて「気持ちいい」と感じるときには、このセンサーが働いています。

メディカル・タッチは、C触覚線維が活性化するオリジナルの『触れ方』があります。それが『タッチングの5原則』です。

看護で触れる手は、単なる手の接触ではない

『タッチングの5原則』は、触れた時にC触覚線維が活性化して、心地よいと感じる触れ方の要素です。この5原則を使えば、バイタルサイン測定やケアで患者さんに触れる時の手が、単なる手の接触ではなく「心地よさや安心をもたらす手」になります。

メディカル・タッチは、決められた手技を何分間行うことが目的ではありません。最も重要なのは、患者さんが楽になること、そして患者さんとコミュニケーションを取ることです。

手技を手順通りに行うのではなく、患者さんの状態や目的に合わせて触れることが大切です。

タッチングの5原則を実践するためには?

「タッチングの5原則」を実践するためには、専門的な知識と技術が必要です。メディカル・タッチ認定講座では、以下の内容を学ぶことができます。

・触れるケアの効果、作用機序

・患者さんの状態に合わせた触れ方

・コミュニケーションとしてのタッチングなど

患者さんに心地よい触れ方を身につけることで、ケアの質を向上させ、患者さんの痛みや辛さをやわらげ、信頼関係を深めることができます。

患者さんに寄り添うケアとして、メディカル・タッチ認定講座で、さらに専門的なスキルを学び、実践に活かしてみませんか?

   

 

 

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。