看護におけるタッチング ~タッチングの効果~

看護でも取り入れられているタッチング、どのような効果が期待できるのでしょうか。今、タッチングに私たちの心や身体に様々な効果があることがわかってきています。ここでは、代表的な3つの効果についてお話します。

1.リラックス効果

タッチングのリラックス効果は看護の研究でもたくさん報告されています。リラックスした状態とは、身体的には副交感神経が有意になった状態です。研究では、血圧や脈拍、心拍数などを測定して生理的な指標で、リラックスしたかどうかが検証されています。

そしてもう1つ、リラックスした状態は気分でも評価されます。質問紙調査などを使って、リラックス度や気分の状態を評価します。

メディカル・タッチはリラックス効果が検証されています

私が行った研究では、両腕に5分間のメディカル・タッチを行ったところ、リラックス度が上昇しました。

※見谷貴代ら,日本看護技術学会誌.125-130(2018)

ほんの僅かな時間でも患者さんに触れることで、リラックスがもたらされます。メディカル・タッチを受けた患者さんから「眠くなってきた」「体がポカポカしたきた」「呼吸が深くなった気がする」とよく言われます。これらは、リラックスした反応かなと思います。

2.不安や緊張、抑うつの軽減効果

人に触れてもらうと、安心したり、気分がほっとしたりした経験はありませんか?

先日、胃カメラの検査をした時に、私が苦しそうにしていると胃カメラを操作していた先生が、私の背中をさすってくれました。すると一瞬、苦しさが和らぐという経験をしました。

触れることには、不安軽減や緊張、抑うつを軽減する効果があることがわかっています。

リラックス効果のところでご紹介した私が行った研究では、両腕に5分間のメディカル・タッチで、緊張ー不安、抑うつー落ち込み、怒りー敵意などが低下しました。

触れることは私たちの気分に、いい影響を及ぼすのです。

3.幸せホルモンの分泌

人に優しく触れてもらうと、脳から幸せホルモンが出るということが言われています。

幸せホルモンが出ている時、私たちは「幸せ」と感じます。幸せホルモンには、オキシトシン、セロトニン、ドーパミンなどがあります。

マシュマロ・タッチのブログでも紹介していますが、軽いタッチで触れることで、オキシトシンが増加したという研究もあります。

タッチは、患者さんにとって「幸せ」と感じる時間をもたらしてくれます。

こんな風にタッチ、触れることには気持ちを落ち着かせたり、不安をやわらげたり、幸せを感じたり、たくさんの効果が報告されています。

看護でタッチングを活用することは、患者さんに安らぎをもたらし、不安や緊張を軽減することが期待できます。

実は、看護にタッチを取り入れる良いところは、まだまだあります。そのことについては、次のブログでお話します。

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。