看護におけるタッチング ~タッチングで心地よい看護を~

4月に私たちの2冊目の本「がんのつらさや痛みをやわらげる 家族ができる12の方法」が発売されました。

1冊目の「看護にいかす触れるケア」は、看護師さん向けのタッチングの本でしたが、今回は患者さんのご家族向けのタッチングの本です。

タッチングは、マッサージと比べると、まだ言葉をご存じでない方も多いと思います。看護では古くから使われている用語で、看護師がケアを通して患者さんに触れる行為を「タッチ」や「タッチング」と呼んでいます。

タッチングは看護技術の教科書にも載っています。学生の頃には、清拭やバイタルサイン測定など、覚えないといけない技術がたくさんあって、あまり意識することはありませんが、教科書では

「言葉を使わない非言語コミュニケーション」

「不安な患者さんを落ち着かせたり、そばにいることを知らせて安心させる安楽の援助」

と説明されています。そうなんです、タッチングは看護技術の一つなのです。

看護におけるタッチングの種類

看護におけるタッチングの研究は、古くから行われています。タッチングの分類には様々な解釈がありますが、Estabrooksはタッチングを以下の3つに分類しました。

・「Protective Touch(保護的タッチ)」

・「Task Touch(道具的タッチ)」

・「Caring Touch(意図的タッチ)」

保護的タッチは、患者さんの保護を目的で行われるもの、道具的タッチは、アセスメントや援助が目的で行われるもの、意図的タッチは、患者さんを援助しようという意図をもって、患者さんの身体に意図的に触れることです。意図的タッチには、不安をやわらげたり、非言語的コミュニケーションの役割があります。

タッチングの方法

タッチングの方法には、患者さんの身体に手を当てる、圧迫する、撫でさする、マッサージなど様々な方法があります。

例えば、痛みを和らげるために撫でさする、不安を訴える患者さんの気持ちを落ち着かせるために背中をさする、手術前の緊張をやわらげるために手を握るなど、何を目的で患者さんに触れるかによって、その方法が異なります。

メディカル・タッチは、タッチング技術の一つ

メディカル・タッチは、タッチング技術の一つです。触れることで、患者さんの不安、緊張、抑うつ感などの辛さをやわらげ、リラックスを促します。患者さんを支え、励まし、不安や孤独などの苦痛をやわらげる一助となります。

また、メディカル・タッチは、言葉を使わないコミュニケーションです。言葉が無くても触れることで、寄り添う気持ちを伝えてくれます。

メディカル・タッチはEstabrooksのいう『意図的タッチ』の役割があります。触れることで、患者さんに安心・安楽をもたらします。

タッチングで患者さんに心地よい看護を提供してみませんか?

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。