触れたあとに残る「これでよかったのか」という不安の理由

現場で患者さんと向き合っていると、
「今、触れたほうがいい気がする」
そんな感覚がふと浮かぶことがあります。

声をかける前に、
説明をする前に、
そっと手を伸ばしたくなる瞬間。

けれど次の瞬間、
ナースコール、記録、次の業務が頭をよぎり、
その手を引っ込めてしまう。

「今はやめておこう」
「後で時間があれば」

そうして、タッチングの時間は
いつの間にか“後回し”になっていきます。

できない理由は「時間がないから」ではありません

触れるケアが続かない理由を、
「忙しいから」「余裕がないから」
そう感じている看護師の方も多いと思います。

でも実際には、
本当の理由はそこではないと、私は感じています。

触れるケアが優先されないのは、
その行為を「説明できない」からです。

説明できないケアは優先できない

看護の現場では、
「なぜ、それをするのか」
「それによって、何が起きるのか」
を説明できることが、とても大切です。

けれど触れるケアについては、

  • なぜ、今そこに触れるのか

  • どこに、どんな作用が起きているのか

  • それは患者さんにとって、どんな意味があるのか

これを言葉にできないまま、

「なんとなく良さそうだから」
「触れるのはいいことだから」

そんな説明になってしまうことがあります。

するとどうなるでしょうか?

「他にもやることがあるよね」
「業務を優先しよう」

そう言われたとき、
反論できずに、引いてしまいます。

結果として、
触れるケアは「なくてもいいもの」になってしまうのです。

触れるケアは、
特別なセンスがある人だけのものではありません。

必要なのは、
触れる前に、何を見て、何を判断しているのかを言葉にすること

そして、触れる技術が何が目的で、どこに触れて、触れると

どんな効果がもたらされるのかを理解すること。

それができると、

  • 迷いは不安ではなく「判断」に変わり

  • 触れるケアは「後回し」ではなく「看護」になります

学んできたはずなのに納得できない理由

アロマやハンドマッサージを学んだ経験がある看護師受講生の方から、
こんな声を聞くことがあります。

  • 患者さんの脚にアロマしたけど、あれで良かったのか、わからない

  • 圧が強すぎたかもしれない

  • 患者さんにとって、本当に意味があったのか自信がない

多くの学びの場では、
「やり方」や「手順」は教えてくれても、

  • なぜその部位なのか

  • その刺激がどこに届くのか

  • なぜ、その触れ方で行うのか

といった判断の理由までは
十分に扱われていないことが少なくありません。

だから、触れても、後悔が残る。
納得できないまま終わってしまうのです。

メディカルタッチは「新しいこと」ではありません

ここで一つ、
大切なことをお伝えしたいと思います。

メディカルタッチは、
アロマやリンパ、ハンドマッサージのような
まったく新しい分野の技術ではありません。

看護師が日々のケアの中で
すでに患者さんに触れている
その「手」を、

看護の技術として整理し直すものです。

  • 触れる場所

  • 触れ方

  • 作用機序

  • なぜ今、それを選ぶのか

すべてに理由があります。

それが分かると、
多くの受講生さんたちがこう言われます。

「だから、あのとき患者さんが落ち着いたんですね」
「自分がやっていたことの意味が、やっと分かりました」

触れるケアを「説明できる看護」にするために

触れるケアは、
特別なセンスがある人だけのものではありません。

必要なのは、
触れる前に、何を見て、何を判断しているのかを言葉にすること

また、触れる技術が何を目的で、触れるとどうなるのかを理解すること。

それができると、

  • 迷いは「不安」ではなく「判断」に変わり

  • 触れるケアは「後回し」ではなく「看護」になります。

オンライン説明会のご案内

日々の看護の中で、

  • 触れたい気持ちはある

  • でも、説明できない

  • だから自信が持てない

そんな感覚を抱いたことがある看護師の皆さんへ。

「触れる前の視点」を整理するための
オンライン説明会を開催しています。

この説明会では、

  • 触れるか迷うとき、看護師は何を見ているのか

  • 「なんとなく触れる」状態から抜け出すための考え方

  • 触れることを、自分の看護として説明できるようになるまでの道筋

について、実例を交えながらお話ししています。

この説明会は、
何かを無理に変えるための場ではありません。

これまで大切にしてきた関わりを、
一度立ち止まって言葉にしてみたい方のための時間です。

 

オンライン説明会の詳細や開催案内は、
公式LINEで優先的にご案内しています。
タイミングが合えば、ぜひご参加ください。

よく読まれている記事

この記事を書いている人

Picture of 見谷 貴代

見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。