看護師のケアの質を高める“タッチング”とは?第13回大阪府看護学会で感じたこと

12月6日㈯、看護師の学びとネットワークの場として毎年多くの看護師が集まる
第13回大阪府看護学会に、メディカル・タッチのブースを出展してきました。

会場には、急性期、訪問看護、認知症ケアなど、
さまざまな現場で働く看護師さんが朝から続々と来場。

・発表前の緊張した横顔
・久しぶりに再会した仲間との笑顔
・日々の疲れがふっとにじむ表情

そのすべてに、現場で奮闘している看護師さんたちのリアルがありました。

特別講演では浅越ゴエさんが
「看護師の声や笑顔は、それだけで患者さんの’癒し’になる」
と温かいメッセージを届けられ、講演の中ではタッチングのお話もあったそうです。

この“癒し”という言葉は、まさにメディカル・タッチが大切にしているもの。

だからこそ今回の出展には、いつも以上に深い意味を感じていました。

  

認定看護師が行うハンドタッチを沢山の方が体験!

今回も、メディカル・タッチ認定を取得した看護師さんたちが
来場者にハンドタッチを提供してくださいました。

開場から途切れることなくブースにたくさんの方が訪れてくださいました。

メディカル・タッチは、短い時間でもすぐに“リラックスのスイッチ”が入りやすく、
体験した直後から表情がふっと柔らぐ方がとても多かったです。

「こんな優しい撫でるようなタッチでも効果があるんですね!」

 

「気持ちいい」「眠くなる」「疲れが取れそう」「こんなの初めて」

と、とにかく反応が速いのが特徴です。

その他にも

  • 「発表を終えてきたところだから、この癒しがありがたい」

  • 「冷え性なのに手先が温かくなってきた!」

  • 「認知症の母にしたら関係が良くなるかも」

  • 「スタッフ同士でやりたい」

  • 「後輩を落ち着かせるのに良さそう」

  • 「見ているだけで気持ちよさが伝わる」

といった声が続き、
隣の企業ブースの方まで「家族にやってみたい」と来てくださいました。

タッチングは、
“見ただけで心地よさが伝わるケア”
であることを、改めて実感しました。

会場でよく聞かれた質問

今までは、メディカル・タッチを体験される方からの質問が

  • 「触れるとどんな効果があるんですか?」

  • 「こんなに軽くても効くんですか?」

といった “タッチそのもの” への疑問が中心でした。

しかし最近は、

  • 「学んだ後、臨床でどう活かせますか?」

  • 「資格を取ると何ができますか?」

  • 「対象はどんな患者さんですか?」

という“実践を前提にした質問”が圧倒的に増えています。

今回の学会は、臨床で働く看護師の方が多かったからか、

多くの方が「現場で、本当に使えるケアを探している」ことが伝わってきました。

その背景には、患者さんの不安・痛み・孤独感が複雑化し、
短い関わりでも確かな安心を届けられる “技術としてのタッチ”

が求められている流れがあります。

実際、隣の企業ブースの担当者の方からもこう言われました。

「これは、看護師さんのスキルアップですよね?
殺伐とした現場ほど、必要な技術だと思います。」

そうなんです。
メディカル・タッチは、看護のスキルアップのための技術です。

看護の日キャラクターの’かんごちゃん’がメディカル・タッチを受けてくれました

そして今回、とても嬉しい出来事がありました。

看護の日のキャラクターであり、
“未来の看護職をつなぐメッセンジャー”として活動している かんごちゃん が、
なんとメディカル・タッチを受けに来てくれたのです。

「私も受けてみたいです!」とブースに来てくれました。
ハンドタッチを受けている姿は、本当に微笑ましく、

周囲の人たちも思わず足を止めて見ておられました。

今回の体験は、看護協会の広報にも使われる予定とのこと。

未来の看護師を目指す若い世代へ向けて、
“触れるケアの魅力”が広く届けられるかもしれないと思うと、とても嬉しいです。

  

   

メディカル・タッチは、短時間でできる看護ケア

忙しい現場でも、声かけとともに “ほんの数秒〜数十秒” 触れるだけで使えます。

たとえば

  • 終末期で、痛みや不安が強い方

    • 身体や心が張りつめているとき、軽いタッチで呼吸が整うことがあります。

  • 夜勤中、ナースコールが続く不眠の患者さん

    • 背中や腕にほんの少し触れるだけで、安心して眠りに入る方もおられます。

  • 手術前で緊張している患者さん

    • 手を添えてゆっくり触れることで、こわばりが緩み安心感を取り戻します。

  • 認知症で不安や混乱のある方

    • 声をかけながら、タッチを組み合わせることで、落ち着きが戻ることがあります。

メディカル・タッチは、心地よさを脳に伝える皮膚の感覚受容器に

スイッチを入れるための科学的根拠のある触れ方です。

看護師が日々のケアに取り入れることで、
患者さんの“辛さ・苦しさ”をやわらげるための新しい選択肢になる技術です。

メディカル・タッチは、現場を支えるもう一つの手になる

触れることは、ケアの原点です。
そして、人を癒す力そのものです。

・患者さんとの関係をもっと良くしたい
・認知症ケアに困っている
・スタッフの心の負担を減らしたい
・ケアの幅を広げたい

そんな風に感じた時には、
メディカル・タッチの講座がきっと力になります。

講座のご案内はこちら

今回の出展を通して、
タッチングケアが必要とされる現場の声をたくさん受け取りました。

これからも、看護師の皆さんが日常のケアに取り入れやすい形で

タッチケアを広めていきたいと思います。

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。