今日の、NHKあさイチで、私たちのタッチングケアが放映されました放映の後に、たくさんの方からお問合せや番組を見た感想が届いています。
番組をご覧頂き、本当に有難うございます。私たちの活動がこうして全国の方に届いたことを心から嬉しく思っています。
番組では、大切な人との最期の日々にタッチングケアで寄り添った看護師さんのエピソードが紹介され、多くの方が感動されたようです。
私自身も、放送を見ながら胸が熱くなりました。
実はあの看護師さんは、私の生徒さんでした
放送では簡単にしか紹介されなかったのですが、タッチングケアをされている看護師さんは、私たちのスクールでを学ばれたメディカル・タッチ認定看護師、亀村あゆみさんです。
以前にブログでナースカフェのことを書きましたが、ナースカフェを主宰されているご本人です。亀村さんからご友人のことは聞いていたのですが、今回の番組のテーマが「タッチングケアでつなぐ 患者と支える人の時間」でしたので、思い切って取材のご依頼をさせて頂きました。
まだお気持ちの整理がつかないなか、「触れることの大切さをお伝えできたら」と勇気を出して取材に応じてくださいました。ご友人も「私の経験を活かして欲しい」と言われていたそうで、亀村さんにもご友人にも心から感謝しています。


タッチングケアがもたらす”つながり”の力
亀村さんは「看護師でいくらケアを学んできても最期は、触れることしかできない。
『あなたの力になりたい』ことを伝えるために触れることを意識している」と話されていました。
メディカル・タッチは、ただ技術として触れるだけではありません。そこには、「寄り添いたい」「話を聴きたい」「安心してほしい」という触れる看護師の思いがあります。
ですが、「気持ち」だけでは伝わらないこともあります。例えば、触れる圧の強さやスピード、手を置く位置や時間、、、
メディカル・タッチにはしっかりした理論と技術の裏付けがあり、それを学ぶことで相手により深い安心感や心地よさを届けることができるようになります。

「ただ触れる」のと「効果的に触れる」は違います
タッチングケアは「気持ちがこもっていれば十分」と思われることもあります。もちろん、相手を想う気持ちは何よりも大切です。
でも触れ方にも「コツ」や「技術」があります。ただ触れるのと、効果的に触れるの間には、大きな違いがあります。
だからこそ、専門職として私たちは「想い」と「技術」の両方を大切にしながらタッチングケアをお伝えしています。
力はいらない、羽根のように軽いタッチで触れる
タッチングは、マッサージのように力を加えるものではありません。やさしく触れるだけで、気持ちがふっとほぐれたり、痛みがやわらぐことがあります。
患者さんからは「こんなに軽い感覚は初めて、でも気持ちがいい」と言われます。
一見、何気なく触れているように見えますが、実はメディカル・タッチには、心地よさを生み出すたくさんの要素が含まれています。
タッチングケアは、最期まで寄り添えるケア
亀村さんと患者さんの娘さんは、最期までタッチングケアを続けられました。
呼吸もしんどくなって
話すこともできない
触れるしかできないけど
触れることでちょっとは楽になっているかな、と思いながら
何もできない自分を癒すように触れた」と亀村さんは語ってくださいました。
「看護にいかす触れるケア」の本の中でも書きましたが、タッチングケアは言葉が届かなくなった時にも「そばにいる」ことを伝えることができます。
そしてその触れるという行為が、目の前の患者さんの辛さを受け止める自分自身の心も癒す力があるのです。

放映を終えて思うこと
今回の取材を通じて、私は改めて、触れることが持つ力と、それを届けようとする人の想いの深さに触れることができました。
私自身、緩和ケア病棟である乳がん患者さんとの出会いから、タッチングケアを世に認められる技術にしたいと思って歩み続けた道が、今、認定看護師さんたちに受け継がれ、現場で活かされているのを見て、嬉しく思います。
この「軽くても深く届くケア」をもっと必要な人に届けたい、そう願いながら、私はこれからもタッチングケアを伝え続けていきます。