病態をアセスメントし、根拠をもって触れる~看護の専門性を確かな価値に変える’メディカル・タッチ’~

アロマやタッチケアを学び、現場で実践しようとしている看護師さんから、

よくこんなお話を伺います。

現場で取り入れようとしたとき、

『それはリラクゼーションだから』

『業務とは別(ボランティア)の時間で考えてほしい』

と言われて、少しモヤっとしたことがある。

もし「もっと専門職として、自信を持ってこのケアを届けたい」

と感じているならば、必要なのは、

新しい技術を覚えることではなくて

今すでに持っている「看護師としての視点」を、

触れるケアの中にそっと組み込み直すことなのかもしれません。

 

リラクゼーションと看護を分けるもの

世の中には、たくさんのリラクゼーションが溢れています。

しかし、私たちが目指す「メディカル・タッチ」は、それらとは一線を画します。

その決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。

私たちは、相手の病態をアセスメントし、

「今、この方に必要な触れ方」を判断して、

 アセスメントを基にケアを提供する専門職です。

ただ「心地よさ」を届けるだけでなく、

疾患やリスクを評価した上で、意図を持って触れる。

この「アセスメント」をもとに患者さんに触れることこそが

看護師だからこそできる唯一無二のケアです。

現場で、ふと手が止まる瞬間

患者さんに触れようとして、ふと手が止まることはありませんか?

  • 「今、本当に触れてもいいのだろうか」

  • 「この状態で、私が触れる意味はあるのだろうか」

  • 「ただの『優しさ(自己満足)』になっていないだろうか」

看護師であればあるほど、善意と責任のあいだで迷いが生まれます。

でも、その迷いは、自信がないからでも、技術が足りないからでもありません。

看護のプロとして、真剣に目の前の患者さんに向き合っている証拠です。

私が看護を学んで初めて気づいたこと

私自身、もともとはアロマセラピストとして活動していました。

その後、40歳で一念発起して看護の専門教育を受ける中で、私は大きな衝撃を受けたのです。

セラピストの頃は、どの患者さんに対しても、

決められた手技を決められた順番で毎回同じように提供していました。

当時の私には、相手の状態を評価したうえで内容を変える

という発想自体がなかったのです。

「アセスメント」という視点を知ったとき、

それまでの私のケアがいかに独りよがりだったかに気づかされました。

たとえば「食事」に置き換えると分かりやすいかもしれません。

状態に関わらず、いつも同じメニューを出すのが

一般的なリラクゼーションだとしたら、看護は違います。

嚥下の状態や体力を考えながら、

「今日は刻み食にしようか」

「形態を変えた方がいいかもしれない」

と自然に考えるのではないでしょうか。

看護における触れるケアも、それと全く同じです。

アセスメントがあるかどうかで、同じ「触れる」という行為でも、

届く価値も安全性も、全く別のものに変わるのです。

学んだ後、メディカル・タッチをどう活かしていくか?

では、具体的にどうすれば「アセスメントのあるケア」

に変わっていけるのでしょうか。

メディカル・タッチを学ぶことは、単に新しい手技を増やすことではありません。

触れるという日常的な行為を、「看護の専門性」として捉え直すことです。

そうすることで、看護はこんなふうに変わり始めます。

●いつもの看護ケアの「納得感」が変わる

病態を意識しながら触れるようになると、
同じケアをしていても、
患者さんの反応がこれまでと違って感じられることがあります。

触れるタイミングや、
手の当て方、声のかけ方。

「なんとなく」ではなく、
「今は、これがよさそうだ」
と考えながら選べるようになると、
自分のケアに対する納得感も変わってきます。

 

●「チームのケア」として共有できるようになる

アセスメントに基づいた言葉を持つことで、

申し送りやカンファレンスで根拠を持って伝えられます。

「こうすると落ち着いていました」
「このタイミングで触れると、表情が和らぎました」

そんな小さな共有が、
チームの中でのケアの幅を広げていきます。

●看護師としての「軸」が定まっていく

  • 「触れるケアのことなら、〇〇さんに相談してみよう」

  • そんなふうに頼られる場面が増え、自分自身も「私はこれを大切に看護をしている」

  • と胸を張って言えるようになります。

    看護師としての軸が、
    少しずつ定まっていく感覚です。

  • 現場の外でも、つながっていく

    病院の中だけでなく、
    訪問看護や地域、介護の現場でも、
    「触れる」という行為は続いていきます。

    そのときに、
    「なぜ、今この触れ方なのか」
    を言葉にできることは、
    相手との信頼関係を支える力になります。

    メディカル・タッチは、
    場所が変わっても、
    看護師としての自分を支えてくれる視点です。

専門的な学びは、すでにある経験を「確信」に変えること

ここまで読んで「新しい知識をまた一から詰め込まなければいけないの?」

と感じた方もいるかもしれません。

でも、最初に必要なのは、
知識を増やすことではありません。

今、すでに持っている
看護の知識と経験、触れる感覚を
どう結び直すかを整理することです。

バラバラだった知識と感覚が「アセスメント」という言葉でひとつに繋がったとき、

迷いは消えて自身が芽生えます。

ひとりで悩む時間を、プロとして歩み出す時間へ

「視点の整理が大切」と言われても、日々の忙しい業務の中で、

一人で答えを出すのは難しいかもしれません。

「私のこの感覚は、どう言葉にすれば伝わるんだろう?」

「今の現場で、具体的にどう動けばいいんだろう?」

その答えを、一緒に見つける場としてオンライン説明会を開催しています。

オンライン説明会のご案内

説明会は、単なる「講座の案内」をする場ではありません。

それ以上に、看護師として患者さんに触れる意味を、

もう一度、確認するための時間です。

説明会では、私の今までの活動や経験を基にして

  • なぜメディカル・タッチは「リラクゼーション」と一線を画すのか

  • 病態アセスメントと触れるケアが、現場でどう結びつくのか

  • 学んだ後、現場・地域・仕事としてどう活かしていけるのか

  • 「ボランティア」で終わらせないために、欠かせない視点

これまで感覚で大切にしてきたケアを、「確かな専門性」へ。

「確かな自信」へと変えるヒントをお伝えできたらと思います。

オンライン説明会の詳細や開催案内は、
公式LINEで優先的にご案内しています。
タイミングが合えば、ぜひご参加ください。

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この記事を書いている人

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見谷 貴代

看護師/アイグレー合同会社副代表 アロマセラピストから看護師になり、緩和ケア病棟や高齢者施設で5,000人の患者にタッチングを実践。病院や高齢者施設、製薬会社、企業などで研修や講演を実施。大学でも非常勤講師として活躍している。